残念なニュースですね。
オールブラックスのルークジェイコブソンが脳震盪の影響でラグビーワールドカップに出場できなくなったのだそうです。
先週行われたトンガ戦の後でも脳震盪の兆候はなかったのだそうですが、どうやら日本に来て今週のトレーニングにおいて症状が発症したのだそうです。
脳震盪という言葉は誰でもが一度は聞いたことがあるくらい広く知られているのですが、どれほどの障害であるのかは、あまり知られていないと思います。
一般的は、脳震盪と聞いた場合、頭を強く打って意識が飛んでしまったり、意識を無くし、しばらくして目を覚ましたときに「ここはどこ?」などと現状を把握できなくなるということだけのように思われがちですが、実はそれだけでなく、脳震盪の怖いところは、さきほどのように意識消失するだけ一過のものでなく、その後、頭痛・めまい・吐き気や軽度の認知機能障害など種々の症状を起こしたり、その影響が思った以上に長期間が続くこともあるんです。
しかもやっかいなことに脳震盪は、頭部CT検査などで異常がみつかるものでもなく、この脳震盪の症状がみられている期間に、再度、頭部へ打撃を受けてしまうのはとても危険なのです。
オールブラックスで言えば、FBベン・スミスもあれだけの才能がありながら、脳震盪で苦しみ長らく休養、調子を取り戻すのに苦労していますし、HOのデイン・コールズも2017年3月の脳震盪の影響で長らく休養、復活までに約2年ほどかかっています。
2015年ワールドカップ優勝のオールブラックス主力メンバーだったのに、脳震盪の影響によって、コーディーテイラーにその座を受け渡してしまったわけです。
南アでは、2011年と2015年のワールドカップに出場したパット・ランビーが、脳しんとうの影響と膝の故障もあり、今年28歳の若さでラグビー選手としてのキャリアを終えています。
とは言え、まだまだ22歳のルークジェイコブゾンですから、ゆっくりと焦らず、段階的に競技復帰を目指し、2023年のフランス大会には主将として復帰できるくらいに回復してほしいものですね。